初心者でも安心!ストレスチェック結果報告書の作成から提出まで(記入例つき) 2022/12/08 2023/03/22 ストレスチェック ストレスチェック結果報告書―書き方は?いつまでにどう提出? ストレスチェック結果報告書とは、ストレスチェック制度の中で義務付けられている対応のひとつを指します。本コラムでは、ストレスチェック結果報告書の書き方、提出方法、提出期限について分かりやすく解説しました。実際のストレスチェック結果報告書の様式で作成した記入例を見ながら、項目の順番で解説していきますので、この記事を読みながら作成いただくこともできます。また、結果報告書を提出するときに、よく質問されるところについてもQ&Aでまとめていますので、つまずきやすいところも先回りして確認できます。 初めてストレスチェック結果報告書を作成する方も、これまで経験はあるけど年に1回しか作成しないためつい忘れてしまった方も、ぜひ最後までお読みください。 この記事でわかること(目次)ストレスチェック結果報告書―書き方は?いつまでにどう提出?ストレスチェックは実施して終わりじゃない―ストレスチェック結果報告書とは?ストレスチェック結果報告書の様式ストレスチェック結果報告書の記入例・書き方結果報告書の作成手段ごとの提出方法と提出期限1.厚生労働省の入力支援サービスで作成し提出する場合2.e-Gov電子申請サービスで作成し提出する場合3.手書きで報告書を作成し提出する場合提出期限ストレスチェック報告書の提出Q&Aおわりにすべて表示 ストレスチェックは実施して終わりじゃない―ストレスチェック結果報告書とは? まず、ストレスチェック制度についておさらいしていきましょう。 ストレスチェックは、労働安全衛生法第66条の10に係る制度です。常時50人以上の労働者数を雇用する事業場においては、年1回のストレスチェックを実施しなければならないと定められています。 ストレスチェックは実施して終わりではなく、ストレスチェックの実施状況について所轄の労働基準監督署へ提出する義務があることに注意が必要です。また、提出にあたっては厚労省が指定する様式「心理的な負担の程度を把握するための検査結果等報告書」を使用する必要がありますので確認しておきましょう。 (検査及び面接指導結果の報告)第五十二条の二十一 常時五十人以上の労働者を使用する事業者は、一年以内ごとに一回、定期に、心理的な負担の程度を把握するための検査結果等報告書(様式第六号の三)を所轄労働基準監督署長に提出しなければならない。(参照:eGov法令検索「労働安全衛生規則」) この提出する報告書のことを、略称して「ストレスチェック結果報告書」と呼んでいます。 ストレスチェック結果報告書を提出しなかった場合は、労働基準監督署からストレスチェックの実施状況の確認と、報告書の提出について事業場へ連絡が来るケースもあります。労働基準監督署から指導を受けてもなお対応をしない場合、労働安全衛生法第120条の5に基づいて50万円以下の罰金が科される可能性もありますので、もし連絡がきた場合は速やかに提出状況を確認し、対応するようにします。 それでは、ストレスチェック結果報告書の扱いについて詳しく見ていきましょう。 ストレスチェック結果報告書の様式 ストレスチェック結果報告書は、労働安全衛生規則第52条の21で定められている通り、決まった様式を用いて提出する必要があります。 ストレスチェック結果報告書の様式は、厚生労働省のホームページ上からPDFファイルをダウンロードできます。もしすでに様式が手元にある場合は、最新の様式であるかどうかを確認しておくと安心です。 参照:厚生労働省「心理的な負担の程度を把握するための検査結果等報告書」 ストレスチェック結果報告書の記入例・書き方 次に、ストレスチェック結果報告書の書き方について確認していきます。 様式の裏面にも記入に関する解説が書かれていますが、ここではそれぞれの項目に対してどのように記入すればよいか解説します。 労働保険番号: 労働保険番号を記入します。労働保険番号は、労働保険加入証明書や確定申告の手続きの際の「労働保険概算や確定保険料申告書」等に記載されています。 対象年: 報告の対象となるストレスチェックが何年のものなのか、その実施年を記入します。 検査実施年月: 報告の対象となるストレスチェックの実施年月を記入します。ストレスチェックを年に数回行っている場合は、1年分をまとめて報告します。この場合「検査実施年月」の欄には、報告日に最も近い検査実施年月を記入します。 事業の種類: 日本標準産業分類の中分類に従って記入します。総務省の検索サイトで確認できます。 事業場の名称: 事業場の正式な名称を記入します。 事業場の所在地: 事業場の正式な所在地を記入します。 在籍労働者数: 検査実施年月末日現在の常時使用する労働者数を記入します。 短時間パートやアルバイトなどの実施義務対象以外の方が受検しても数には含みません。 検査を実施した者: 実施者を選択します。実施者になれるのは、医師(産業医を含む)か保健師、もしくは一定の研修を受けた看護師、精神保健福祉士、歯科医師、公認心理師です。 検査を受けた労働者数: ストレスチェックの対象者のうち、報告対象期間中に受検した人数を記入します。 面接指導を実施した医師: 面接指導を実施した医師を選択します。「面接指導を受けた労働者」がいない場合は、空欄にします。 面接指導を受けた労働者数: ストレスチェックを受けた労働者のうち、医師の面接指導を受けた労働者数を記入します。 集団ごとの分析の実施の有無: 集団分析の実施の有無について、該当する番号を選択します。 産業医: 産業医の氏名と所属機関を記入します。なお、産業医の押印は不要です。 結果報告書の作成手段ごとの提出方法と提出期限 ストレスチェック結果報告書の作成や提出方法、提出期限について確認していきましょう。 まず、ストレスチェック結果報告書の作成は、①厚生労働省の入力支援サービスによる作成、②e-Gov電子申請サービスでの作成、③手書きで作成といった3つの方法があります。一方で提出方法は、労働基準監督署への提出(窓口/郵送)、e-Gov経由での提出の2種類です。 順に解説していきます。 1.厚生労働省の入力支援サービスで作成し提出する場合 所轄労働基準監督署に申請または届出を行う場合に使用する様式を、ウェブ上で作成・印刷することができるサービスです。また、入力したデータを保存しておくことで、次回入力の際、共通する部分の入力を省略できます。(サービスの利用において事前の申請や登録は不要です。) 入力支援サービスはあくまで作成までを目的としていますので、作成後は自身で印刷し、労基署窓口に持ちこむか郵送で提出します。 ▶労働安全衛生法関係の届出・申請等帳票印刷に係る入力支援サービス 2.e-Gov電子申請サービスで作成し提出する場合 総務省が運営する行政情報のポータルサイトです。インターネット環境とPCを始めとした情報通信機器があれば、自宅やオフィスに居ながら行政手続きを進めることができます。 ※手続きをする際は、事前に必要なアプリケーションをダウンロードする必要があります。 ▶e-Gov利用申請 3.手書きで報告書を作成し提出する場合 厚労省のウェブサイトから、報告書PDFをダウンロード・印刷して必要事項を記載後、所轄の労働基準監督署に提出します。なお、機械で読み取りを行う都合上、印刷に使用する用紙については白色度80%以上の用紙を使用し、印刷した用紙をコピーして使用しないよう注意します。 労働基準監督署への直接提出が難しい場合は、郵送でも提出が可能です。 提出期限 ストレスチェック報告書は「一年以内ごとに一回、定期に」提出が必要ですが、具体的な提出期限は定められていません。そのため、提出時期は事業場ごとに設定していきます。 前年度も実施の報告をしている事業場は、前回の提出から一年以内でなければなりません。提出期限を忘れないようにするためにも、あらかじめ衛生委員会等で報告書の提出時期を決め、例えば「毎年3月に提出する」など、できるだけ毎年固定の時期に提出することをお勧めします。 ストレスチェック報告書の提出Q&A これまで、具体的なストレスチェック結果報告書の作成方法や提出について流れで見てきました。次に、ストレスチェックを提出する際、よく弊社に質問が来る点について、Q&Aでご紹介します。提出する前にあらかじめ読んでおくことでつまずきを防ぐことにもつながりますので、ぜひ確認してみてください。 Q1.当社は本社以外に50名を超える事業場が2つあります。報告書は本社でまとめて1部提出すればよいですか? A.ストレスチェックの報告書は事業場ごとに作成し、所轄の労働基準監督署に提出する必要があります。そのため、本社でまとめて報告することはできません。 Q2.当社は50人以上の事業場ですが、諸事情により今年はストレスチェックを実施できませんでした。ストレスチェック結果報告書の提出は必要でしょうか? A.常時50人以上いる事業場において、ストレスチェックを実施しなかった場合であっても報告は必須です。「ストレスチェックを実施しなかった」という事実は労働基準監督署へ提出する義務がありますので漏れなく報告しましょう。(労働安全衛生法第100条及び、労働安全衛生規則第52条の21) ストレスチェック結果報告書を提出しなかった場合は、実施状況や報告について労働基準監督署から問い合わせがくる場合があります。労働基準監督署からの指導を受けてもなお対応をしない場合、労働安全衛生法第120条の5に基づいて50万円以下の罰金が科される可能性もあります。労基署から連絡がきた場合は速やかに対応することが大切です。 Q3.当社は50人未満の事業場です。ストレスチェックはしていますが報告は不要ですか? A.50人未満の事業場がストレスチェックを実施した場合、報告義務はありません。労働基準監督署への報告については、常時使用する労働者が50人以上の事業所に対してのみ義務付けられています。 報告義務はないものの、50人未満の事業場で実施する際には、報告以外の事項については関連する法令、指針等に従う必要がありますので注意しましょう。 なお、厚労省のストレスチェック指針では、常時使用する労働者数が 50 人未満の小規模事業場においては、当分の間、ストレスチェックの実施は努力義務としています。努力義務とはなりますが、ストレスチェックの制度は、労働者自身のストレスへの気付きを促すとともに、集団結果から職場改善につなげ、労働者がメンタル不調となることを未然に防止すること目的としたものです。50人未満の事業場であっても、メンタルヘルス対策の一環として、ストレスチェック制度を活用することは考えてみてはいかがでしょうか。 Q4.当社は年に2回ストレスチェックを実施しています。2回分それぞれ提出は必要でしょうか? A.報告の義務は「一年に1回」ですので、複数回のうち1回について報告すれば問題はありません。年間を通し順次ストレスチェックを実施した場合は、その期間内のストレスチェックの実施状況を1回にまとめて報告できます。 この場合、「検査実施年月」の欄には、『報告日に最も近い検査実施年月を記入すること。』という規定がありますので、これに従います。 ストレスチェックについては以下の記事でも解説しています。50人超えたら実施義務発生、ストレスチェック基本の「き」解説!ストレスチェック制度の基本と産業医の関わりどうしたら良いの?ストレスチェック、面談希望のない高ストレス者への対応 おわりに 常時使用する労働者が50名以上の事業場においては、ストレスチェックの実施が義務付けられているだけでなく、ストレスチェック結果報告書(心理的な負担の程度を把握するための検査結果等報告書)を労働基準監督署へ提出することも義務付けられています。ストレスチェックを実施する工程のひとつとして、年に1回忘れずに提出にしましょう。 ストレスチェックは実施して終わりとするにはもったいない制度です。ストレスチェックを通して得られた集団分析では、仕事のストレス要因など職場の現状や課題傾向を知ることができます。働きやすい職場づくりを実現するために、ストレスチェック制度を積極的に活用していきましょう。 エリクシアでは「従業員にとってはストレスチェック、組織にとっては従業員意識調査」をコンセプトとしたストレスチェック『ココロモニター』を提供しています。「ストレスチェックの集団結果を活用したい!」「ストレスチェックが形骸化している」「職場環境改善に生かせていない」というお悩みがありましたら、ぜひお気軽にご相談ください。 詳細はこちら
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