管理職のリアルな声!部下のメンタルヘルス対応で本当に困っていること

[シリーズ②]管理職が喜ぶラインケア研修の実施方法

管理職の課題解決に直結するラインケア研修の秘訣

職場のメンタルヘルス対策の優先施策として「ラインケア研修」に力を入れる企業が増えてきています。本記事では、アンケートに寄せられたリアルな声を参考に、管理職が現場でどのような部下のメンタルヘルス問題に直面しているのかを解説します。さらに、管理職の課題解決に直結するラインケア研修実施の秘訣をお伝えしていきます。

[シリーズ①]管理職が喜ぶラインケア研修の実施方法 

この記事でわかること(目次)
  • 管理職の課題解決に直結するラインケア研修の秘訣
  • 管理職が本当に求めているラインケア研修とは
  • 管理職が部下のメンタルヘルス対応で困惑することとは
  • まとめ
  • エリクシアでは、管理職の困りごとが解決するラインケア研修をご提供しています
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    管理職が本当に求めているラインケア研修とは

    研修企画側が設定したラインケア研修の目的と、受講者側がラインケア研修に求めていること、両者の考えに乖離があれば、せっかくラインケア研修を行っても効果は薄くなってしまいます。効果的なラインケア研修にするためには、まず管理職がラインケア研修に求めることを理解することが大切です。

    義務を強調するラインケア研修のデメリット

    ラインケアとは、企業の管理職が部下のメンタルヘルスをサポートする取り組み全般を指します。具体的には、管理職には不調者発生予防、早期発見、早期対応、復職後フォローなど、幅広い範囲で部下の健康面をサポートすることが求められています。これらは「安全配慮義務」といって、管理職に課せられた“義務”でもあります。

    ラインケア研修を通じて管理職のメンタルヘルス対応力を向上させることは、企業のメンタルヘルス対策において非常に有効な施策であり、WHOも推奨しています。(※シリーズ①参照)

    一方、ラインケア研修は「管理職は部下のメンタルヘルスに配慮せねばならない」という、少々圧の強い研修になってしまうこともあります。

    また、現場で業務に追われている管理職にとっては、研修を受けること自体が負担に感じることがあります。これは、研修の質以前に、受講者のテーマへの関心や実施時期の業務繁忙度など、さまざまな要因が影響するためです。

    せっかく受けた研修に対し「やらされ感」「負担感」といったネガティブな感情が高まると、素直な気持ちで情報をインプットすることが難しくなります。「義務としてやらなくてはならない負担が増えた」というネガティブな感情でラインケア研修が終わってしまうと、せっかくの研修の機会を活かしきれません。

    研修企画側が理解したい管理職のリアルな声

    受講者側の「やらされ感」「負担感」といった研修へのネガティブな感情を極力排除し、前向きな気持ちで知識をインプットしてもらうためには、今まさに本人たちが困っていることに役立つ内容であることが大事です。そのためにはまず、管理職が本当に困っていることや、今まさに苦労している部下の精神サポートやメンタルヘルス対応は何なのか、研修企画側が把握する必要があります。管理職が知りたかった情報や身に付けたいと思っているスキルに研修内容がピタッとハマれば、「研修を受けてよかった」「このタイミングで知っておいてよかった」という感謝の声が聞こえてきます。

    インターネットで調べれば出てくるような一般的なラインケアの内容だけでは、管理職の本当に困っていることに寄り添うことはできません。管理職のリアルな声を聴き、実際に困っている部下のメンタルヘルス問題を把握するプロセスが、効果的なラインケア研修にするための鍵となります

    管理職が部下のメンタルヘルス対応で困惑することとは

    管理職のリアルな声のヒントを得るため、弊社のラインケア研修受講者を対象に行ったアンケート、およそ2000件を分析しました。実際にどれくらいの管理職がメンタルヘルス対応で苦戦した経験があるのか、また、具体的にどんな場面で困惑したのか、生の声を基に分析した結果をご紹介します。

    部下のメンタルヘルス対応で困った経験の有無

    「これまでに部下の心身不調や精神サポートで対応に困ったことはありますか?」という質問に対し、「実際に対応に困ったことがある」と回答した人は全体の37%でした。3人に1人は、管理職として部下のメンタルヘルス対応で戸惑ったり悩んだりした経験があるということになります。

    フリー回答から見えてきた6つの困惑場面

    これまでに部下の心身不調や精神サポートで「対応に困ったことがある」と回答した37%の方々に、「具体的にどのようなことで対応に困りましたか?」と自由記述を求めたところ、数多くの回答が得られました。

    自由記述の回答を分析し、共通の傾向に基づいて分類したところ、管理職が対応に困る6つの場面が具体的に見えてきました。

    困惑①心身コンディションの見極め
    ・リモートなのでうまく把握ができない
    ・体の不調の話をされた時にどう対応したらいいのか分からない
    ・不調の様子を軽い口調で言われると、本気で対応する必要があるのか迷う

    困惑②不調の原因が不明瞭
    ・プライベートなことが絡み、よく分からない
    ・メンバーそれぞれの感じ方に個人差があるため、判断が難しい
    ・虚偽の申告をしているケースがあって困惑した

    困惑③不調者とのコミュニケーション
    ・面談での話し方やアプローチの仕方に迷う
    ・上司や人事への報告内容の調整、プライバシーとの線引きが難しい
    ・歩み寄っても本心を話してくれない
    ・こちらのアドバイスが的確だったのか不安

    困惑④休職、復職時の対応
    ・診断書を持ってきた時の対応がよくわからなかった
    ・休職した方がよさそうだけれど、本人が休職を固辞して困った
    ・復職後も体調が不安定で休みがちな時の対応が難しい

    困惑⑤不調者発生に伴う業務量調整
    ・不調を訴えている部下への仕事の割り振りに悩んだ
    ・しわ寄せを受けているメンバーの負担へのフォローが難しかった
    ・自分自身の業務が回らなくなり、十分なフォローが行えなかった

    困惑⑥自分自身が感じるストレス
    ・不調者への配慮に悩み、自分がストレスを抱えてしまった
    ・感情を挟まずに粛々と対応することが難しくて悩んだ
    ・ネガティブな気持ちがどうしても強くなってしまった

    困惑が解消されるラインケアの知識

    管理職には部下のメンタルをサポートする必要があると言われても、メンタルは目に見えないため、最初は誰もが対応に戸惑い、難しさを感じるはずです。ただ、管理職が困惑するポイントが具体的に分かれば、ラインケア研修で学んでもらいたい内容も明確になります。単に義務としてラインケアの知識を押し付けるのではなく、6つの困惑場面に応じたラインケアの知識・スキルが身に付けられる研修であれば、管理職に喜ばれるラインケア研修となるでしょう。

    実際のところ、業界・業種・各現場によって部下のメンタルヘルス対応における課題は異なりますので、6つの困惑場面以外にも解消が必要な課題はあるかもしれません。各現場の管理職の声をしっかりと聞いて、自社の課題に応じたラインケア研修を企画していきましょう。

    まとめ

    アンケートにて、「対応に困った経験は無い」と回答した方からも、「今後のためにラインケア研修を受けておいてよかった」という声は多く寄せられました。それは、弊社のラインケア研修が、6つの困惑場面を十分理解した上で提供されているためだと考えられます。

    ラインケア研修は今や職場のメンタルヘルス対策として必須の研修となりつつありますが、義務的に受けさせるだけでは、現場の管理職の関心を高め、対応力向上につなげていくことは難しいです。管理職が実際に直面している課題や悩みを解決する内容であるかどうかにこだわって、より効果的なメンタルヘルス施策としてラインケア研修を導入していきましょう。

    エリクシアでは、管理職の困りごとが解決するラインケア研修をご提供しています

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    この記事の執筆者:エリクシア産業保健チーム

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    この記事は、株式会社エリクシアで人事のお悩み解決に携わっている産業保健師チームが執筆し、産業医が責任をもって添削、監修をしました。

    株式会社エリクシアは、嘱託産業医サービスを2009年より提供しています。衛生管理体制の構築からメンタルヘルス対策、問題行動がある社員への対応など「圧倒的解決力」を武器に、人事担当者が抱える「ヒトの問題」という足枷を外す支援を行っています。

    【記事の監修】
    産業医 上村紀夫
    産業医  先山慧

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